2016年12月15日

折敷とスツール@

7年ほど前から毎年何かしらベルカの商品を買ってくださる常連のお客様がいらっしゃいます。
今年もスツールbst-2とセミオーダーの折敷を注文いただきました。

折敷2.jpg
折敷は5年ほど前に商品化していたもののHPに掲載していなかった商品です。オリジナルのサイズは30センチ幅×43センチですが、今回は15センチ幅×45センチの細長いタイプで直接お料理を盛り付ける用途でオーダーをいただきました。
去年すでに一つ納品させていただいたのですが、気に入っていただきブラックウォールナット材での追加注文です。

工程としては、まず材料を仕上がりの厚みより5〜6ミリくらい厚い状態にし、1ヶ月以上乾燥させます。
乾燥が終わったら、仕上がり一歩手前の厚さに板を加工し、板同士を耐水性のある接着剤で接着して一枚の盤にします。
今回はチェリー材と山桜材でオリジナルサイズの折敷も一緒に製作しました。
IMG_8876.JPG
接着前

IMG_8902.JPG
接着中。この後規定の厚さに仕上げます。

無垢材は空気中の水分の影響を受け絶えず伸縮を繰り返しています。
折敷の両端には反り止めの桟がつきますが、板の伸縮を完全に止めてしまえば板が割れてしまうので、伸縮を妨げないように反り止め桟と板は片アリという方法で接合します。
IMG_9007.JPG
アリ溝の穴加工が終わった反り止め桟

/IMG_9010.JPG
次に板の両端にアリを作ります。↑はアリ加工時にバリが出ないように予め繊維を断ち切っているところです。

IMG_9020.JPG
アリ型をした高速回転する刃物でアリ加工。少しずつ慎重に削ってはアリ溝にあてがい、ちょうど良い締め込み具合になるまで繰り返します。

IMG_9023.JPG
板に反り止め桟を差し込んだ状態。叩き込んでやっと入るくらいキツく接合されています。
それでも将来的にゆるくなって取れてしまわないように伸縮を妨げない位置に裏側から竹釘を打っています。

IMG_9046.JPG
↑面取りをしたもの。両端の桟の裏側には指が入りやすいように斜めにカットしています。
この後、水拭き→研磨を数回繰り返して将来的に毛羽立ちが出ないようにし、最後に塗装をして完成です。

IMG_9492.JPG
長くなってしまったのでスツールは次回の記事にします。


大深

posted by ベルカ at 22:43| 家具製作

2016年11月29日

宮城への旅

先日、はじめて宮城県に行ってきました。

東北に行くこと自体はじめてだったので、どんな寒い所かと思っていましたが、長野のほうがよっぽど寒かったです。

せっかく海の近くにきたので、フェリーに乗って松島観光をすることにしました。

ブログ1.jpg

ブログ3.jpg

ブログ2.jpg

フェリー乗り場には2階建てのフェリーがとまっていました。
1番人気の仁王丸という船のようです。
でもどうやら私が予約した松島〜塩竈行の乗り場はここではないです。
ブログ4.jpg
こっちに乗りたい気もしますが、すごく混んでいます。

ブログ5.jpg
小さいですが、空いてるので好きな席に座れます。
ワンマン運転で、運転する人がガイドもしてくれるようです。

ブログ6.jpg
この日はすごい波で、結構ゆれました。

運転士兼ガイドさんが各島の説明をしてくれます。
震災時にはたくさんの島が防波堤のような役割を果たし、到達した津波はだいぶ低くなったそうです。
ただ、島は削られて形が変わったり、松が枯れてしまったものもあったとおっしゃっていました。
ブログ7.jpg
四つの穴が開いている鐘島。

ブログ8.jpg
仁王島。仁王さまの頭っぽく見える部分が落ちそうになったので、首のところを補修してあるそうです。
ガイドの方曰く、お金がなくてあまり上手に直せていないとのこと。

1時間弱くらいで塩竈に到着しました。
陸からも松島は見えますが、船酔いがだいじょうぶならフェリーで巡るのも面白いです。

ブログ10.jpg
塩竈神社。


ちょうど紅葉していました。

宿泊は仙台でしたが、程よく都会で、文化施設も多くあり、ちょうど良いサイズの街でした。
ブログ12.jpg
せんだいメディアテーク。図書館やギャラリーのほか、おしゃれ雑貨が売っているショップもあります。

今回の一番の目的は、ずっと行きたかった「火星の庭」というブックカフェに行くことです。
実はちょうど定休日にあたる曜日でしたが、たまたま祝日だったので開いていました。
ブログ9.jpg
入口の均一棚も整然と並んでいます。

お店は古書店が半分、カフェが半分という感じで、カフェ利用のお客さんもけっこうたくさんいました。
蔵書は民俗学、美術関係、文学関係など幅広いですが、なんとなく硬派な感じの品ぞろえで、欲しい本がたくさんありました。

長野からはちょっと遠かったですが、とてもいい所でした。

N
posted by ベルカ at 15:38| 日記

2016年07月20日

猫の島

先日、岡山からフェリーに乗って男木島というところに行ってきました。

男木島はのら猫が増えすぎて住民を超える数になってしまい、すべての猫に不妊手術をするとのことで最近話題になった島です。

メオン2.jpg
高松〜男木島のフェリー。

岡山の玉野港から男木島へは、高松を経由して約2時間弱。
玉野〜高松間のフェリーでは、うどんが食べられたり、お風呂に入れたり、酔わない人には楽しい船旅です。

おぎじま9.jpg
フェリーから見える男木島。

おぎじま8.jpg
男木島はアートにも力を入れているらしく、島内に様々な作品を展示したスポットがあるようです。

まずはフェリー乗り場から比較的近い豊玉姫神社を目指すことにしましたが、坂が急なうえ、ものすごい暑さで、ちょっと歩くだけで汗だくになります。

おぎじま2.jpg
豊玉姫神社。

神社につくまで猫に会うことはなかったのですが、日陰ですずしいせいか、神社の守り神のような猫がいました。
おぎじま1.jpg
顔が般若の猫。

おぎじま3.jpg
近くにいた兄弟っぽい猫。

彼らは完全に野良なので、ちょっと触ろうとすると血が出るほどたたいてきます。


猛暑のせいか思っていたほどたくさんではありませんが、歩くとちょこちょこ猫に出くわします。
おぎじま4.jpg

おぎじま6.jpg

おぎじま7.jpg

ogijima.jpg

ogijima5.jpg
男木島の猫たちが増えた原因の一つは観光客の餌やりだそうです。なので注意を促すこのようなポスターが貼られています。

港に戻ると、どうぶつ基金という団体の方が、地域猫を増やさないための活動についてPRしていました。
冒頭の看板にある「さくらねこ」というのは、不妊手術をしたしるしを耳に入れた猫のことだそうです。
この方たちは全国各地でTNR(捕まえて不妊手術をして戻す)という活動をしていて、そのおかげもあって猫の殺処分件数は劇的に減ったそうです。

うちの近所にも野良猫がたくさんいて、ついこの間はその中の誰かが家の裏に子猫を生んでしまいました。
基本的に野良猫には関わらないことにしているのですが、赤ちゃんとはいえ生き延びたらまた子供を産むので、やむを得ず保護しました。
この子たちは必ず不妊手術をしてくれる方に譲ろうと思っているので、少しは野良猫を減らす手伝いができたかなあと思っています。

koneko2.jpg

こねこ1.jpg

野良出身ですが、人慣れしてとてもいい子です。
室内で大事に飼っていただける方を探しています。
いい人にもらわれるとよいです。
(追記:子猫たちはすべてもらってくださる方が決まりました。)


N
posted by ベルカ at 21:54| 日記

2016年07月05日

ダイニングチェアbcd-3

先日、ダイニングチェアbcd-3を県外のお客様のお宅に納品してきました。

1.jpg
この椅子はウィンザーチェアという17世紀からあるタイプの椅子で、ほとんどの部材が旋盤(ロクロのような機械)で作った棒で構成されているのが特徴です。

途中から写真を撮ったので、最も手間のかかる座面を彫る過程は紹介できません。
2mini.jpg
大雑把な工程ですが、まずは座面用の厚い板に型板を使って墨付けをし、スピンドルという背もたれの棒が入る穴や脚が入る穴をドリルで開けます。一本ずつ角度が違うので間違えないように慎重に開けます。

次に座面を専用の反り鉋で彫り、外周を成形したりします。上の写真は脚を打ち込んで接着した後です。
脚は座面の下から差して込んで、ホゾを貫通させた状態で座面の上からクサビを打ち込んでいるので脚が抜けにくい構造です。
完成すれば、クサビは↓の写真のようにアクセントになります。
_1012605o2.jpg

5mini.jpg
↑スピンドルという部材。この椅子は座面以外全ての部材にあえてカンナの削り跡をつける仕上がりにしています。
ベルカで作っているほとんどの製品はツルツルになるまで時間をかけて研磨した物が多いので、意外とこういったタイプの仕上がりのほうが手間としてはかなり楽です。

3mini.jpg
背もたれの一番上に着く笠木という部材にドリルで穴あけをしています。座面に開けた穴とは角度が違います。
初めて試作をした際には、何か色々と慣れない数式を使って角度を導き出した覚えがあります。

4mini.jpg
笠木への穴あけが終わったら、仮組みをします。

6mini.jpg
仮組して問題が無ければ先ほどの笠木を成形します。これも小ガンナや南京鉋を使って削り跡を残しつつ滑らかな曲線に仕上げます。

7mini.jpg
↑組み終わってオイルで仕上げた状態。
この椅子はクッションを敷かなくても疲れないというコンセプトの元に試作を重ね完成しました。
お尻と腰へのフィット感には自信があります。工場には試座用の椅子を常時用意していますのでダイニングチェアを探されている方はどうぞお気軽にご連絡ください。


大深
posted by ベルカ at 21:27| 家具製作

2016年06月15日

パン屋さんとコーヒー豆屋さん

最近なにかとバタバタしていたのがやっと落ち着いてきたので、クラフトフェアで買っておいしかったチーズケーキのお店に行ってみることにしました。

買った時にお店の名前を確認するのを忘れてしまい、ネットでいろいろ調べたところ、松本にあるフォルコーンというパン屋さんだということがわかりました。
お客さまから教えていただいたコーヒー豆屋さんも近かったので、仕事がお休みの日に出かけてみました。

お店についたのはお昼どきだったので、ランチのカレーセットとキッシュのセットを注文し、待つあいだパンを選んでいました。フォルコーンというのはドイツ語で「穀物」という意味なのだそうです。

IMG_6366-2.jpg

IMG_6355.jpg
ドイツパンを中心に、どっしりした感じのパンが置いてあります。

キッシュのセットにはブロッコリーのスープつき。どちらもやさしい味で、見た目よりもお腹にたまりました。
カレーも家では作れない感じの味でおいしかったです。
IMG_6362.jpg

チーズケーキはお持ち帰りできるとのことで、家に帰ってからいただきました。
見た目にもみっしりと詰まっていて、食べると素朴でよけいな味がしないけれど、素材の良さが伝わってきます。
IMG_6367.jpg

ちなみにコーヒー豆屋さんは店内がイチロー一色という不思議なお店ですが、豆を選ぶ際に1人1杯試飲をさせていただけます。
少ししか買わないのでなんだか申し訳ない気持ちになりました。また買いに行こうと思います。

IMG_6374.jpg
コーヒーを淹れてチーズケーキと一緒にいただきましたが、くせがなく飲みやすいコーヒーでした。
焙煎したての豆を売っているそうで、その証拠に挽いた豆を蒸らすときにすごく盛り上がりました。

〒390-0815 長野県松本市深志3-8-19
OPEN 11:00〜18:00 
CLOSED 木曜日・第3金曜日、年末年始 ※臨時休業あり


それぞれこだわりのあるお店で、お仕事の上でもいろいろと参考になりました。
久しぶりに休日らしくすごし、日ごろの疲れがすこしとれた気がしました。

N
posted by ベルカ at 22:36| 日記
Powered by さくらのブログ