2016年01月25日

初めての仏壇

昨年の夏頃のことですが、あるお客様から仏壇製作のお問い合わせをいただきました。

これまで仏壇を作ったことがなく、最初はお引き受けするかどうか少し迷いました。
話をお聞きすると、お客様が探されている仏壇はいわゆる伝統的なタイプのものではないとのこと。既存の造り付け家具内に設置し、お部屋の雰囲気に溶け込むものを希望されているので、それであればこれまでの応用がきくと思いお打ち合わせをさせていただきました。

工場にある在庫の家具をご覧いただいたところ、形については全面的に任せていただくことになり、ご予定も変更してかなりのお時間を頂くことにもご了承いただけました。

設計するにあたり、仏壇についてほとんど知識がなかったので、まずは一般的な仏壇の機能などを調べることから始めました。
幸い、普段から仏壇を作っている腕の良い職人が友人にいるため、彼に技術的なことや様式の事など色々と相談に乗ってもらい進めることができました。

以下は製作途中の写真です。

本体は隠し蟻という技法で接合しました。

 
左の写真から右の写真のように組まれます。一度組んで接着してしまえば隠れて見えない部分ですが、内部のアリ組みがゆるいと外側に隙間ができるし、なにより強度的に意味がありません。
逆にキツすぎると板が割れてしまうのでそのさじ加減が難しいのです。


接着前の仮組みの状態


ダウンライト用のスイッチは欄間の裏の目立たない場所に取り付けます。
電気の配線は普段滅多にやらないので試行錯誤しながらでした。

今回特に時間がかかったのは折れ戸と一体になった取っ手です。

仏壇の顔なのでアクセントになる必要はあるけれど、あまり大げさな感じにはしたくありません。指にフィットするように原寸大で試作を重ねました。


出来上がった仏壇
光背に使ったイタヤカエデは杢が出ているものを選んだのでライトをつけた時に絹目のように輝きます。
この仏壇は高い位置に設置するため、通常仏壇内部にあるスライド式の膳引き(火立てなどを置く部分)を仏壇の一番下の台輪という部分に配置しました。これはお客様のアイデアです。
また、仏壇の扉は普段開いたままの状態なので、本体の両脇(扉で隠れる部分)に別途小物入れの棚を設置し有効利用することにしました。
HPにも掲載しました。→(http://belka-kagu.com/product/cabinet/odalt/odalt.html

納品した際にはこれまで経験がないほど喜んでいただき、この仕事をやっていて良かったと久々に思うことができました。


オオフカ
posted by ベルカ at 21:44| 家具製作

2016年01月13日

猫について

このあいだ、新宿で動物写真家・岩合光昭さんの写真展が開催されていたので見てきました。

「ねこ」と題された写真展では、世界中でたくましく生きる野良猫たちのいろいろな姿が展示されていました。
猫好きの人が思いのほか多いとみえ、写真展の入場にはけっこうな列ができていました。

うちの近所にも、たくさんの猫たちが住んでいます。
そのうち何匹かは、出かけるときや庭仕事をしているときなどに、話しかけてきたり全速力で傍を通り過ぎたりしてきます。
とてもかわいくてついご飯などをあげたくなるのですが、どこかで飼われている猫かもしれないし、野良猫を増やすことは結果的に彼らを不幸にすることなので、あげないようにしています。

何回も家に来るうち顔見知りになった猫もいましたが、長野の厳しい冬が過ぎ、春が来るといつの間にか姿が見えなくなってしまいました。
かわりに見慣れない小さい猫が家に来るようになっています。

うちでも猫を2匹飼っていますが、どちらももらい猫です。
片方は帰省した際近所で拾われたのをもらった猫、もう片方は松本のボランティアさんから譲り受けた猫です。

松本では猫を保護するボランティアさんの活動が盛んなようで、殺処分する猫を少しでも減らすべく頑張っていらっしゃいます。その熱意には本当に頭が下がります。
不幸な猫を減らすために猫の飼い主である私たちができることは、必ず避妊手術をすることと、家の中で飼うことだそうです。

最近では、里親募集型の猫カフェが松本市内にできました。
お正月に行ってみましたが、本当にかわいくていい子たちばかりで、はやくよいお宅にもらわれるといいなあと思いました。

近所の猫たちを全部保護して家の子にしたいところですが、それは到底無理なので、せめて家にいる子たちは寿命をまっとうさせてあげられるようがんばろうと思います。




微妙な距離をたもつ2匹。
先日、寝ているときに顔を踏まれました。

N
posted by ベルカ at 17:59| 日記
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