2014年12月24日

最近作った家具

家具製作の記事が少ないのでたまには載せてみようと思います。
部分的にしか撮っていませんが、以下の写真は先日まで手がけていた家具の製作の様子です。
家具は、洗面室で使う用途のキャビネットです。


今回はこのくらいの量の木材を使いました。
1/3くらいは木屑となってしまいます。


扉にはめ込まれる板を鏡板と言いますが、今回は鏡板をブックマッチという方法で作りました。
1枚の木を半分に割って本の見開きのように合わせると、対象になった木目の鏡板を作る事が出来ます。
↑は半分に割っている所です。
↓は割った直後。


木は、外側と内側とで含んでいる水分に差があります。
板を割った場合、水分を多く含んでいる内側が外気に触れることで急激に乾燥が進み、板が大きく反ってしまう事が多いです。
そこで、板を割ったらすぐに重石を乗せて、反りが出ない状態をキープしつつ乾燥させます。この手間を省くと後で失敗する事があります。


乾燥が終わったら2枚の板を接着します。


出来上がった鏡板


上の写真は扉の角部分にはめ込まれた丁番です。
このタイプの丁番は丁番の形ぴったりに彫り込まなければならず、家具本体に対する扉の取り付け位置をあとで調整することができないので加工精度が必要です。


扉に取り付ける予定だった取っ手は、取り寄せてみると思っていた感じとかなり違っていたので、自分で加工して形や大きさを変えてみました。
この作業によって予定よりも多く時間がかかってしまいましたが、満足する物に仕上がりました。


完成したキャビネット
詳細はHPにアップしました。→(http://belka-kagu.com/product/cabinet/odcb3/odcb3.html

オーダーのお話を頂いてから随分と長い間お待ちいただいたのですが、お送りした家具をご覧頂いたお客様から大変気に入って頂いたとのご連絡がありホッとしました。

オーダーを頂くお客様の大半はHPからのお問い合わせか、展示会で知り合った方ですが、たまに知り合いの方からもご注文を頂きます。
今回のお客様は僕が小さな頃、近所に住んでいたKさん。
30年くらい昔のことなのに、庭先でいつも亀の世話をしていたであろう僕のことを覚えていてくれたのです。
頭の中は近所の川にいる生き物のことばかりだった当時の僕も、Kさんが難関資格を目指している苦学生だったこと、僕によく声をかけてくれていたことは覚えていました。

今年も残りあと数日となってきました。
来年1月の展示会の準備などで今回の正月も休み返上になりそうです。


オオフカ
posted by ベルカ at 00:00| 家具製作

2014年12月10日

修道院のワイン

先日、塩尻の映画館・東座で『大いなる沈黙』を観てきました。

こちらに越してきた数年前は、東座さんでの上映会は月に数日でしたが、現在では名作上映を合わせるとほぼ休みなく良質の作品が上映されています。
近くにこのような映画館があることは本当にうれしいことです。

今回上映された『大いなる沈黙』は、フランスにある「グランド・シャルトルージュ修道院」を取材したドキュメンタリーで、これまで公開されてこなかったこの修道院の生活を知ることができます。
神保町・岩波ホールでの上映時も連日満員だったそうです。

この映画が本国ドイツで公開されたのは2005年ですが、最初の取材交渉は1984年だったとのこと。
それから16年後、突然撮影許可の返答が来たのですが、音楽やナレーションをつけないなどの条件がついたため、演出は最低限にとどめられたそうです。

修道院についての説明もあまりなかったので、気になって本で調べてみたところ、『ワインと修道院』という本にグランド・シャルトルージュについての節がありました。



これによると、グランド・シャルトルージュは修道士の中でも時に厳格と言われるカルトゥジア会に属しており、週1回の散歩のとき以外は他の人との会話もほとんどありません。

食事も普段は1日1回半、自分の部屋で1人で食べます。肉はなく、パンと水だけの時もあるのですが、通常は修道院でつくっているワインやリキュールがつくそうです。

このように厳格な生活を守る彼らですが、修道院に住み着くノラ猫たちとふれあうときのうれしそうな様子が印象的でした。

N
posted by ベルカ at 17:55| 日記
Powered by さくらのブログ