2013年02月20日

うつわの解放区『花を愛でる宴のうつわ』のお知らせ

今月末より日本橋三越で行われる催事への出品を控え、すでにオーダーをいただいている商品の製作と併せて、現在準備に追われる日々です。
今回は新作のボウルやカップ等もお目見えの予定です。

うつわの解放区『花を愛でる宴のうつわ』
<期日>平成25年2月27日(水)〜3月5日(火)まで
<場所>日本橋三越本店 5Fリミックススタイル


サラダなどを盛り付けてみました。いつも使っているうつわとはちょっと違って見えます。

三越といえば壁の大理石に埋もれたアンモナイト。
いつか実際に見てみたいと思いつつ、気後れして入ることができないのですが、まさかベルカの作品を置くことができるとは。感慨深いです。

お時間のある方は、ぜひお出かけください。
ついでにアンモナイトも探してみると楽しいかもしれません。

ベルカ
posted by ベルカ at 20:17| お知らせ

2013年02月12日

富士山とロシアの日記

今年はコツコツとブログを更新しようと思っていたのですが、仕事が立て込み、気づけば2月も半ばになっていました。
寒くて耐えられないような日もだんだん少なくなり、春が近づいているのを感じます。

とはいっても休みの日は外に出るよりも家で暖かくして本でも読んでいたい気持ちなのですが、ここのところずっと読んでいるのが武田百合子の『富士日記』です。

『富士日記』は、武田百合子が夫である作家・武田泰淳とともに、富士山に建てた山荘で過ごす日常を記したものです。
武田夫妻は週の半分ほどをこの山荘で過ごしたそうですが、「別荘」という言葉から想像されるような特別な出来事は起こらず、日常の何でもないことが書かれています。
たとえば毎日の食事の内容が必ず書かれているのですが、ちくわ・さんま缶詰・ふかしパンなど質素なものばかり。著者はたいてい、家の仕事や買い出しをしているか、運転しています。
にもかかわらず、献立だけ記された食事を想像してお腹がすいてくるし、自分が富士山での日々を過ごしているような気持ちになってきます。食料品店の人、ガソリンスタンドの人との下世話な会話が、なんだかとても楽しいです。



同じ時期に書かれたロシア旅行の記録『犬が星見た』も、雰囲気は富士日記と同じような感じ。ロシアの観光名所については最低限触れられ、買い物の時の現地の人たちとの会話、ツアーに同行している少し困った老人の言動などが、ユーモアたっぷりに書かれています。
著者は困った人とか言葉が通じないというフィルターを通すことなく、相手の言うことをそのまま受け止め、素直な言葉を返します。それを描写する文章も簡潔でありながら的確で、なんともいえない面白さにつながっているのだと思います。

日々の家事や身の回りのこと、行きかう人々との会話を大切にしたくなるような本です。

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posted by ベルカ at 19:11| 日記
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